誰も居ない生徒会室。

そこにいるには生徒会長のあいつと私だけだった。





生徒会長1



私立である氷帝学園を一言で言うと、「でかい」の一言につきる。

まずは幼稚舎、中等部、高等部そして大学部と一貫して行っていること。
私も幼稚舎からのつき合いで(ん?つきあい?)多分、このまま大学までずるずる行くんだと思う。

そして次は校舎の大きさ。
多分これは生徒数に比例してるからなんだと思う。
校舎が大きいと設備もいい。
私立はどこも設備がいいけど、中でも氷帝は一位二位を争う設備の良さだと思う。
サロンや学食はもちろんのこと、特別教室なんかも各種揃っている。
ものすごく、いい施設の揃った学校なのである。



頃は11月に入った。
11月となるとはっきり言って忙しい。
まず、文化祭があること。
文化活動委員に入っている私にとって、これほど忙しいことはない。
氷帝の生徒会組織は生徒会長、副会長があり、その下に校内活動委員、校外活動委員
文化活動委員、運動活動委員、報道委員、そして海外交流委員、と6つの委員で構成されている。
そして私は文化活動委員に入っており、委員長でもある。
もちろん、何でも
そんなわけで、色々と私も忙しい身なのだ・・・・。


かさかさと、紙がすれる音がする。
私は狭い資料室で、文化祭で必要な経費を計算していた。
なぜ狭いこの部屋でしなければいけないかというと、どこの教室も文化祭の準備で大わらわだから。
特別教室ですら、もう部やクラスの人が陣取っている始末である。
先輩、サッカー部と卓球部の文化祭に出す出し物が決まってません」
コンコンというノックの音の後に、後輩の声が聞こえる。
扉には1年生の文化活動委員の子がいた。
「わかったわ。他にクラスの出し物が決まってないところとかある?」
「クラスはないです・・・・。けど――」
「けど?」
「場所がまだ決まってません・・・・」
なんだか頭が痛くなっているのを感じつつ私は、後輩に指示を出すことにした。
「場所はいいから、手の空いている文化委員を集めてきて」
「それが・・・・・」
「・・・・言わなくて良いわ。みんな忙しいのね」
私の言葉に後輩はうんうんと頷く。
私ははぁ、とため息をついた後に
「場所決めは私がやるから、あなたはサッカー部と卓球部に行って来て、
 出し物を何にするかと、どこの場所を使うか聞いてきて。」
「分かりました」
そう言うと後輩は、ダッシュで消えていった。
「はぁ・・・・」
なんだかやってもやっても仕事が無くならない・・・・。
とてもけだるく感じる。

コンコン。
私が会計とにらめっこしているところへ、ノックの音。
出し物を聞きにいった、後輩にしては早すぎる。
誰だろうと思っていたら、扉が開いた。
「入るぜ」
跡部景吾だった。
生徒会長にしてテニス部部長・・・・。
嫌な予感が・・・。
、部の出し物がまだ全部集まってないぜ」
「いま、集めてるところ」
「早くしろよ」
この言葉がかなりむかつく・・・・。
「・・・・・・・・・てかね、跡部」
「あ?」
「あんたは私を殺しにきたの?」
「おまえが殺して死ぬ奴か?」
「いや・・・これ本気で言ってるんだよ?
 会計に場所取りに、体育館の使用をあれこれ指示したり・・・・・
 なんで私にばっかり押しつけるのよ?」
「お前が委員長だからだろ・・・・」
「あんただって生徒会長でしょうが」
私がそう言うと、跡部はフッと、不適な笑みを受けべる。
「俺がお前だったらこんな仕事簡単に片付けることが出来るぜ」
売り言葉に買い言葉?
私はカチンときた。
「じゃあ、あんた手伝いなさいよ!!」
「はっ、オレは暇じゃないからな」
跡部は勝ち誇った顔をしながら私を見下ろしていた。

「あ、あの〜・・・・・・」
と、そこへサッカー部と卓球部の出し物について聞きに入っていた後輩の声が。
「あ?聞きにいけた?」
私はくるりと向きを変えて、後輩の方へ身体を向けた。
「あ、はい。紙にメモしましたからこれを」
といって、わたしにメモを渡してくれた。
「ありがと。もう、委員の方は明日で良いから、クラスとか部とかの方へ行っても良いよ」
「はい!わかりました。先輩、それでは」
私は笑顔で手を振りながら、後輩を見送った。

「はい、これで全部揃いましたよ。生徒会長の跡部景吾さん」
いかにも作り笑顔、って感じで私は跡部に出し物のリストを跡部に手渡す。
「はっ、ご苦労だったな、文化活動委員長の
引きつった笑顔を見せながら、私と跡部はにらみ合っていた。


文化祭まであと2週間。







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あとがき

集中連載の作品です。
集中連載なので、しばらくはこの作品しか書かない予定。(そしてあくまで予定)
とある方の小説の雰囲気をもろに影響を受けてます。
今までと雰囲気が違う(はず)
とりあえず、最後までおつきあいいただければ幸い。



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