眠り姫は王子のキスでも目覚めません。




さあ・・・王子はどうするのでしょうか・・・・。









































リアリティ8


















跡部によって宍戸、ジロー、岳人、鳳・・・・つまり
の信頼をおける人物に、のことを話した。
皆、最初は驚いた様子だったが後から納得した様子だった。

「今日は忍足来てるか?」
跡部が岳人に質問する。
岳人は渋い顔をして
「来てないぜ」
と、答えた。
その答えに跡部は顔をしかめた。
「・・・・・・・ねぇ・・・」
と、そこへジローが口を挟んできた。
「忍足くんにさんのことは、後で話せばいいじゃん。
 それより、今日はさんのお見舞いに行こうよ」
「あっそれ、俺も賛成!」
そう言って岳人も同意する。
「忍足に話すのは後で良いじゃねえか?」
宍戸はそう言うと跡部の方を見た。
「・・・・・わかったよ・・・の所に見舞いに行けば良いんだろ?」
跡部はため息をつきながら了解した。
その様子を鳳は苦笑しながら見た。




は今、彼女の家にいる。
病院にいても良いのだが、父親はそれは無意味だと分かっていた。
病院にいてもほとんど何もされないし、家にいた方が安心だからだ。
跡部はそのことを父親から聞いていた。
やはり信頼の置ける人物には話しておいたほうが良いと思ったのだろう・・・。

跡部達は、の家についた。
一応インターフォンを押してみる。
・・・・・・・・・・
やはり反応はなかった。
玄関を開けてみると、鍵はかかっていなかった。
「御邪魔します」
跡部は礼儀正しく、挨拶をして家の中にはいる。
それぞれ跡部を真似して挨拶をして家に上がっていく。
そして、迷うことなくの部屋へ向かっていく。


の部屋の扉がゆっくり開いていく。
当たり前だがはそれに気がつく様子がない。
「・・・・・・・・」
最初に岳人が名を呼んだ。
「寝てるようにしか見えませんね」
鳳がが寝かされているベットに近づき言う。
「うん・・・そうだね・・・・」
「・・・・・・・・・・」
跡部は無言でを見た。

「なんか・・・・」
しばしの沈黙の後、ジローが口を開いた。
「なんか・・・・・こうしてみてると・・・・・『眠り姫』みたいだね」
「そうだな」
宍戸がを見ていった。
「・・・侑士の奴、何で学校に来なかったんだよ!?」
「あいつにも事情があるんじゃねえのか?」
「でも・・・が大変って時に!」
「・・・・・・・・・・・・」
皆、沈黙をした。
確かに忍足はこんな時に何処で何をしているのだろう・・・?
ここにいる全員が思った。
「・・・・・・そろそろ帰るぞ」
「跡部・・・・」
「ここにいたって、の目が覚めるわけでもねぇ。
 それに、見舞いならいつでも出来る」
そうだろ?と、続けた。
「それに俺は寄るところがあるんだ」
「寄るところ?」
岳人がオウム返しに聞いてくる。
「ああ・・・」
「どこだよ」
「・・・・・・教える必要はない」
岳人は跡部を睨んだ。
跡部はそれをさらりと受け流した。
「さ、帰るぞ」








跡部は今、ある高級マンション前にいる。
無論、忍足の住んでいるマンションだ。
エレベーターに乗り忍足の居る階のボタンを押す。
忍足の居る階につくと跡部は早足で部屋に向かった。

「・・・・・・・・・」
跡部は無言で扉を見つめていた。
「おい、忍足。聞こえてんだろ」
扉に向かって言葉を投げかけた。
「・・・・・はあ・・・・」
少し大げさにため息をついてみせる。
「お前、と何かあっただろ・・・・」
跡部はのことを水島と呼んでいる。
しかし今は、と呼んでいる・・・・。
「・・・・・・・・」
「そのがどうなったか知りたくねぇか?」
その言葉の少し後に、ロックが外される音がした。
「よお。忍足」
言葉は陽気だが、顔は鬼のごとく強ばっていた。
「・・・・・・はあの後どうなったん?」
「その辺で泣いてたぜ」
忍足は顔をしかめた。
「俺の家で落ち着くまで居させようと思ったんだが」
「・・・・・・・・・」
「心を閉じた。今は眠り姫みたいになってる」
「・・・・・・」
「バカか・・・お前は。
 は普通の人間よりも心が弱いんだぞ?」
忍足は目を伏せ気味にして下を見た。
「わかっとる・・・つもりやった」
跡部はイライラしていた。
を救える唯一の「光り」は忍足しか居ないことを。
その忍足も今では駄目な人間になっている。
「同じ事を言うのは好きじゃねえけど」
跡部は目をキッとさせて忍足に向かって言い放つ。
の奴、心を閉じちまったんだよ!分かってるのか、忍足!?」
大きな声を出して怒鳴りつけた。
跡部らしくない行動だ。
「お前しかを救ってやる手はないんだよ」
跡部は強くそして、はっきりと言った。













王子は姫を助けることが出来ません。

姫を眠らせたのは自分だからです。

茨の道、抜けることならず・・・。















to be continuation.





















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