そう・・・・

『あの』夜は



紅い・・・・紅い、月でした。









リアリティ6










真っ暗な世界だった・・・・。
全てが真っ暗で、私以外誰もいなかった・・・。

フッと気が付くと、どこからか子供の泣き声が聞こえてきた。
私は興味本意で鳴き声のする方へ近づいていった。

「っ・・・・・」
あまりに酷い光景だった。
それは・・・虐待の光景・・・・。
「これは・・・・私?」
そう、それは“わたし”が虐待されているところだった・・・。
あの時、私は泣きながら必死に母の暴力に耐えていた。

『どうせ、侑士は母親と同じなのよ』
後ろから声が聞こえて、振り向いてみた。
そこには“私”が居た。
もう一人の『私』は冷たい笑みを浮かべて私をみていた。
「貴方は・・・?」
『見ての通り、、貴方だよ』
もう一人の私はクスクス笑いながら言った。
『ねえ・・・
「・・・・・・・・・・・・・」
私は警戒して、もう一人の私を見た。
『おやおやおや・・・・・』
凄く警戒されているのね、と『私』は続けた。
『自分でも分かっているでしょ、・・・・』
「何を・・・・・・」
『侑士は母親と同じ。自分の事なんて捨てるんだって』
「違う!!!」
私は力一杯否定した。


「やめて!!!!!」
急に後ろから声がした。
多分、小さいときの私の声だろう・・・・。
あの時の光景が、私の目の前で再生されていった・・・・。

『アンタ何か死んでしまえばいいのよ!』
そう言って母は私に暴力を振った。
小さな私には、何故暴力をふられなければならないのか分からなかった。
ただ、人目を気にするような目つきをしていたことは確かだった。
そして母の機嫌を損ねないようにしていた。

『毎日毎日、その目つき。イライラするから止めなさい!!』
そんな風にしたのは母なのに・・・・。
何時もそう思った。
母が何故私に虐待をするのか、ある日分かった。
母は私に嫉妬をしているのだ。父を独占しているときがあったから。
嫉妬と言っても、そんじょそこらの嫉妬とはワケがちがった。
だから母は私に虐待をした・・・・・。
憎しみと憎悪をこめて。


「どうしてこんな光景見せるのよ?」
はもう、侑士を信用していないから』
冷め切った口調で言い放った。
「そんなわけ・・・」
『そんな訳ない?本当に?』
「本当だよ」
『そう・・・・・・・でもね、さっきの映像は、私が見せた訳じゃないわ。
 。貴方自身が呼んだのよ・・・』
信じられなかった・・・・。
私があの、見たくもない光景を・・・・。
「うそ・・・」
私は一歩、後ずさりをした。
『嘘じゃないわ。侑士を信用していたらこんな所に来たりしないもの』
『私』ははっきりした口調で言った。














起きてみると朝だった・・・・。
日の光が窓から入ってきていた。
起きあがって備えつけてあった時計を見るとまだ、6時半。
ベットから出ようと、体勢を動かした。


ズキッ

背中や身体の節々がうずいた。
「いったい・・・・」
うずきが治まるまで私はそのままの体勢で居た。

2、3分程度したところでうずきは治まった。
それと同時に眠気が襲ってきた。
私はそのままベットに横になって目を瞑った。
どうせ今日は学校なんて行く気がなかった。
だから、このまま寝てしまっても良いと思った。





そして静かに意識が遠くなっていった・・・・・・・。


















スリーピング・ビューティー。
誰かが彼女を見て言いました。


そう・・・・彼女は深い、眠りについたのでした・・・・・。








to be continuation.




【第1部 完】




あとがき

第1部、終わりました。
まさかここまで続くとは私自身、思ってもいませんでした。
計画性のない奴です。
シリアスもしリアス・・・ものすごくシリアス・・・。
書きやすいのは、何故でしょう?

このお話、全部で3部構成です。多分(ここ強調)
それでは、次回予告を。


《第2部予告》


の奴、心を閉じちまったんだよ!分かってるのか、忍足!?」

「ごめんな・・・・・・」

「なんか・・・・・こうしてみてると・・・・・『眠り姫』みたいだね」

「はよ、目ぇ・・・覚ましてえな・・・・」


『私  は  い  ら  な  い  子・  ・  ・  ・  ・?』


何か感想があれば・・・・。
メールアドレスが書いてあれば、返信メールが届きます。

名前(任意)
メール(任意)





















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送