暗い・・・暗い・・・・・。
そんな場所だった。
一人だった。
何もなかった。
光も音も、人の温もりも。
とても落ち着いた。
とても幸せだった。
誰にもこの幸せを邪魔されたくなかった。
なのに・・・・。





リアリィ11






「そういやー・・・・・」
忍足が昼休みに、何かを思いだしたように呟いた。
「なになに〜」
ジローと岳人が興味津々で聞き返してきた。
忍足は一瞬、岳人とジローの顔を見ていった。
「・・・・・・まぁ・・・ええわ」
「何だよ侑士、気になるじゃん」
「気にせんでええわ」
「俺も俺も!すっげー気になる」
ジローもすかさず話しにはいる。
「・・・・・・・・・」
忍足が何かを言いたそう、ため息をついた。
「どうしたんだよ・・・侑士?」
「人のこと気にするより、自分のこと気にし。
 ええんか?来週、補習で埋まってしまうで?」
「・・・・・・」
忍足の一言が効いたのか二人はうげーっという顔になった。


岳人とジロー(別名、居残りレンジャーズ)は
忍足に古典の勉強をしてもらっていた。(ちなみにジローはイエロー、岳人はレッド)
 なぜ忍足かというと、忍足のクラスは一番授業が進んでいるからだ。
そして岳人とジローは明日の古典のテストに向けて忍足に教えて貰っていた。
まぁ・・・ジローは岳人が無理矢理付き合わせているという感じなのだが。




昼休みの終わりを告げる前の予鈴が鳴り、岳人達は各自のクラスに帰ろうとした。
「あー・・・・岳人?」
「ん?なんだよ」
「後で、跡部に放課後、体育館裏に来いって言ってくれへんか?」
「何で俺なんだよ」
明らかに嫌そうな顔をする。
「岳人の方がクラスが近いからやん」
「・・・・・・・今度おごってくれるって約束してくれるンなら良いけど」
「分かったわ」
「じゃ、約束だからな!」
言い終わると、岳人は走って行ってしまった。
「ほんまに伝えてくれるんやろうか・・・・?」
ため息をつきながら、忍足は岳人の走っていった方に顔を向けていた。



「あ?それ、本当に忍足が言ったのか?」
跡部は至極気分の悪そうな顔をして岳人を見ていた。
「ああ!そう言ったんだって」
「ほほう・・・・この俺に命令とは、忍足も良い度胸してるじゃねぇか」
跡部の名前に「様」がつきそうな、そんな感じの雰囲気だ。
正にオレ様・・・・。
「・・・・・俺・・・帰るな」
流石に岳人も身の危険を感じたのか、そそくさと跡部の教室を出ていった。
(今日の跡部(さん)、すげー機嫌悪・・・)
教室に居た誰もが思ったことだろう。



「で、忍足。俺に何の用だ?」
体育館裏で跡部は忍足に話しかけた。
「ああ・・・礼を言おう思うて。それでや」
「あ?礼?」
不機嫌丸出しで跡部は忍足を見た。
「せや。の、な」
「ああ」
なるほど、と跡部は頷いた。
「ほんま、が頼りにしとるだけのことはあるわな」
「ふん、当たり前だろう?」
「・・・・・・・・」
冬の冷たい風が二人の身体を冷やす。
に変化はあったのか?」
唐突に跡部が忍足に問いかけた。
すると忍足は悲しそうに目を伏せ首を振った。
「全くないわ・・・」
「ま、気長に待つしかないような」
と、ため息混じりに呟く。
「せめて卒業するまでには起きて欲しいところだな」
「せやな」



冷たい風が、吹いた―――


あとがき

お待たせしました。
リアリティをお届けします。
「いつまで待たせとくんじゃ、己は!」とヤジが飛びそう(−m−;
どうやら都合により三部構成だったのが二部構成に変わりそうです。
いや、マジで。
受験もあるので、春まで更新ストップですので。気長に待って下さい。

後お願い。
感想書くときはギャル字使わないでください。
私、ギャル字嫌いなんです・・・。




感想があれば・・・。
誤字脱字もあれば教えて下さい。

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