君が君であるために。僕が僕であるために。







天才だから?
天才だから何だって言うの・・・・。






































「亮、どしたの、髪」
朝、亮を見ると髪をバッサリと切っていた。
に関係ねえだろ・・・」
亮はぶっきらぼうにいながら席に着く。
「関係ある」
「そのうち話す」
「そのうちって何時よ」
「いつかだよ。今ははなせる時期じゃない」
「・・・・亮の・・・莫迦(ばか)」
わたしそう言い残して自分の席に戻った。


1限目は確か数学・・・かったるいな。
そんなことお思いながら窓を見た。
空がとても澄んでいて、でもそれがむかついた。
まあ、空にむかついても意味無いんだけどね。
そうしたら、先生が入ってきた。
退屈な授業が始まるな。



「木村、この問題を解いてみろ」
指名されたのはあたしの一個前の席の木村君。
可哀想に・・・。
「分かりません」
「授業をまじめに聞いているのか?」
「はい」
「エスカレーターだからって気を抜くなよ、木村。
 もういい、前の黒板に答えを書け」
何故あたしなんですか?
「はい・・・」
あたしは席を立って黒板に向かった。
30秒ほどすると黒板に答えを書き上げた。
「正解だ。席に戻って良いぞ」
あたしは言われて席に戻った。
「皆もを見習え」
あたしを見習っても何の特にもなりませんよ。
そう思っていたら後ろから・・・
「天才だからって生意気なんだよ」
と、後ろの女子に言われた。
怖い怖い。
とは思うけど・・・
実際はあまり怖くなかった。




「鳳くん、いる?」
あたしは今、鳳くんのクラスにいる。
目的はもちろん亮が髪を切った理由を聞くため。
「あ、先輩。俺に何か用ですか?」
「そうなんだよ」
あたしは教室に入って、鳳君の机に向かった。
「亮がね、髪を切ってたんだけど、切った理由を知らない?」
「宍戸さんが髪を切った理由ですか?」
「うん」
頷いてみせる。
「この前、宍戸さんがレギュラーから外されましたよね?」


コクンと頷く。


「それで、宍戸さんはレギュラーを取り戻すために俺と特訓をしていたのは
 先輩も知ってますよね」


コクン。



「昨日、宍戸さんは滝先輩と試合をしたんです。
 試合は宍戸さんが勝って、滝先輩はレギュラーから外されたんです」


コクン。


「でもレギュラーになれたのは宍戸さんじゃなかったんです。
だから俺と宍戸さんは監督にレギュラーにしてくれるように頼み込んだんです」



・・・・・・・




「宍戸さんは監督の前で髪を切ったんです」





ああ、そう言うことだったのか。




「そして宍戸さんはレギュラーに復活したわけです」



「亮の奴・・・・テニスバカだ・・・・」
先輩、それは言っちゃあ」
「うん。まあ、分かってるんだけどね。
 でも、そんなところを全部含めて亮が好きなんだけどね」
自分で、これは重傷だよと言った。
「でも・・・・どうして亮は話してくれないんだろう」
「あ、それは」
鳳くんは心当たりがあるように私の顔を見た。
「多分、まだ決着が付いてないからですよ」
「けっちゃく?」
「はい。もうすぐ試合があるのは知ってますよね。
その試合で勝たなきゃ意味がないんですよ」
「そっかー・・・亮も色々考えてるのか・・・」
ありがとう、と言ってあたしは教室を出た。






「りょー」
あたしはニコニコしながら亮に近づいていった。
「あ?」
「今日、一緒に帰ろう?」
「遅くなるぞ?」
「分かってるって。遅くても良いから一緒に帰ろう?」
「分かった」
「ありがとう」








辺りはもう真っ暗になっていた。
あたしと亮は並んで帰っている。
「遅くなったね(大分)」
「遅くなるって言っただろ?」
「言ったけどさ・・・・」
こんなに遅くなるとは思っていなかった。
夜は嫌だよ・・・一人みたいで。
「そう言えば・・・・」
「ん?」
「亮、正レギュに復活したんでしょ?」
「・・・・・何で知ってるんだよ」
「鳳くんから聞いた。
 それで髪を切ったんだね」
「どうせテニスバカだって言うんだろ?
 『天才』のにはわかんねえよ」
辺りがシンッと静まり返った。
私は下に俯いた。
「・・・・・亮も・・・・やっぱり
 あたしを『天才』としか見てないんだ・・・・」
あたしは顔を上げた。
多分その顔は今にも泣きそうだったかもしれない。
「『天才』だからあたしとつきあってたんだ」
「ちが・・・・」
「もういい!」
あたしは走り出した。






亮は違うと思っていたのに・・・。
亮だけはあたしを『天才』じゃなくて『 』として見ててくれると思ったのに・・・。
もう、だれも信じない。信じられない。
「もう・・・嫌だよ・・・」
あたしはベットに倒れ込むようにして入った。
いっぱ、いっぱい、泣いた。

夜が来てやっぱり朝が来る物なんだ・・・。
ずっと夜だったらいいのに・・・。
あたしはベットから起きあがって窓を見た。
今日は学校に行く気になれない・・・・。
「休もう」
あたしは携帯に手をかけた。


あたしが学校を休んで1週間が経った。
何もしたくなくて、ベットでぼーっとすごす。
この1週間、ろくに物を食べていない。
やる気が無くて、動きたくない。
一層このまま餓死してやろうか、なんて考えた。
もう・・・自分がどうなっても良かった。
フッと気づくと携帯が鳴っていた。
多分、メールだろう・・・・。
「よっと・・・」
起きあがって携帯を見る。






宍戸 亮・・・・。



亮からのメールで・・・。
このまま削除してやろうかと思った。
けど勝手に手が動いて、メールを開いた。

 

、この前はすまなかった。

 

たったそれだけの内容だった。

でも、すぐに次のメールが来た。

 

 

一方的のメールだけど我慢してくれ

がいないこの一週間、色々考えた。

は天才で俺とは違うって、頭のどこかにあったんだと思う。

だからにあんな事言って

本当に悪かったと思っている。

 

 

 

あの夜、はっきり分かった。

も人間なんだって。

鋼のように強く見えるけど、本当はとても繊細なんだって。

俺は本当にバカな奴だ。

 

 

 

そんな俺をは多分嫌になっただろう。

それでも良い。

たとえが俺のことを嫌いになっても、俺はずっとの事しか見ないから・・・・。

 

 

 

愛してる

 

アイシテル・・・・・・。

 

>愛してる

 

                   

 

 

 

 

fin

 

 

あとがき

 

微妙ですね・・・。

この後どうなったのでしょう?

ご想像におまかせと言うことで・・・。

キリバンゲットのアンズ様に捧げます。

キリリクありがとうございました!

それでは・・・

 

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