人のざわめきや、彩りの光り。
花火の音や色・・・・。


不思議な感じ・・・・。





お祭り気分






今日はなんだか変な感じがする・・・。
何時も通りなんだけど、どこか違う。
少しだけど活気に溢れている、気がする。

「お姉ちゃん、今日何かあるの?」
リビングで雑誌を読んでいるお姉ちゃんに聞いてみる。
「あんた知らないの?」
「え?今日、何かあるの?」
「今日は近くの神社で祭りがあるでしょ」
「へ〜・・・今日だったんだ」
私はもう少し先の日だと思っていた。
「あ、そうだ」
私は急いで電話に向かう。
確か今日は長太郎、暇とか言っていたはずだから。
デートに誘おう・・・・。

受話器を取って、携帯の番号を押す。


1回・・・2回・・・3回・・・。

小さいときから私の癖で、どうしてもコールの数を数えてしまう。

7回程度鳴ったところで長太郎が出る。

「あ、長太郎?」
?どうしたの?』
「えーっとね、今日お祭りでしょ?
だから一緒に行かない?」
『うん。いいよ』
「良かった」
『何で?』
「だって部の人とかに誘われてたらどうしようと思ってたから」
照れ混じりに答える。
『あはははは。確かに先輩に誘われたりしたよ』
「え!?じゃあ断ったの?」
『うん。俺もを誘おうと思っていたから』
「そうなんだ。へ〜」
『何・・・その意味ありげな言葉は』
「長太郎も少しはいい所あるなーって」
『少しはって・・・酷いなー』
「だってそうじゃない」
『・・・・・・・・・・・ソウデスネ』
長太郎は思い当たる節があるのか少し間があった。
「分かればよろしい」
『はいはい』
苦笑混じりに言われた気がした。
「で、何時に集まる?」
『5時頃の家に迎えに行くよ』
「ん。了解。じゃあ・・・」
『うん』
そう言って電話を切った。





「お姉ちゃん、私、もう少ししたらお祭りに行くから
母さんが帰ったら言っといて」
リビングでまだ雑誌を読んでいるお姉ちゃんに言った。
、お祭り行くのなら浴衣着なさいよ」
「え〜・・・・ヤダ」
「彼氏、居るんでしょ」
「そうだけど」
「だったら着るでしょ?」
ほぼ強制ですか、お姉さん。
「あ、どうせだから髪も結ってあげる」
「うん・・・・」
お姉ちゃんは雑誌を仕舞って、私をお姉ちゃんの部屋に連れていった。



「どう?これ。新作」
お姉ちゃんは私に浴衣を見せた。
その浴衣は黄色で兎と雪の絵が描かれている可愛らしい浴衣だった。
「かわいい・・・」
「でしょ!これはね有名な作家書いた絵なんだって」
お姉ちゃんは社会人だけど、これと決まった職業には就いていない。
今は家で浴衣や着物を縫っている。
お金は貰っているらしいけど・・・・。
、ここに立って」
私はお姉ちゃんの言われたところに立った。
テキパキとお姉ちゃんは準備をする。






浴衣はキチッと着せられた。
ちょっと苦しかったけど・・・。
「今度は髪ね」
そう言ってお姉ちゃんは色々な道具を持ってきた。
「痛い」
「我慢しなさい」
髪を引っ張られて痛かった。
ショートって言うのがアレなんだけど・・・・。











「うん!いい感じ」
お姉ちゃんは私を満足そうに見た。
「は、恥ずかしい・・・・・」
「そんなこと無いって。
これだったら誰だか分かんないね」
私は鏡をまじまじと見た。
やっぱり恥ずかしい・・・・。
こんなのを長太郎に見せるなんて・・・・・。
考えただけで顔が少し赤くなった。


「今何時?」
「うんっと、5時前ね」
5時前、もうそろそろ長太郎が来る頃・・・。
「暇・・・・」
私は冷蔵庫へいって麦茶を出した。
コップを出して氷を入れた。

カラン・・・・。
氷がきれいに鳴る。
少し涼しくなった。
その時ちょうどインターフォンが鳴った。
多分、長太郎だろう。
ドアの方でお姉ちゃんが「はいっ」と言っているのが聞こえた。
「こんにちは」
やはり長太郎だった。
私はドアに向かった。











正直、ビックリした。
・・・だよね」
「そうだけど?」
目の前にいるは普段の何倍も可愛かった。
「お祭りまでもう少し時間があるから、上がりなよ」
「あ、うん・・・・」
少しばかり俺は呆気にとられていた気がする。
俺は「御邪魔します」と言って家に入っていった。
にリビングにつれて行かれて、お茶を出された。






カラン・・・・・・。





コップの中の氷が綺麗に鳴った。
を見ると別人に見えて仕方無かった。
は元々純和風な体格だから、浴衣や着物がよく似合うと思う。
「ね、長太郎」
「ん?」
「私の格好、変かな?」
の顔は少し赤かった。
「全然変じゃないよ」
笑って返事をする。
「ありがとう・・・・」
「いえいえ」
「あ、もうそろそ行こうよ」
「そうだね」







神社は思っていた以上に混んでいた・・・。
人が多いのって嫌だな〜。
「長太郎・・・人多くない?」
私は長太郎の服を引っ張りながら言った。
「そうだね。はぐれたら困るから手繋ぐ?」
「え・・・・・」
「あ・・・・ごめん・・・・」
そうなのです。
私たちはまだ手を繋げれないのです。
理由は恥ずかしいから・・・・。
な、なさけない・・・・キスは出来るのに。
「ごめん」
「何で謝るの?」
「だって」
「いいよ。別に気にしてないから。
それよりはぐれたらいけないからしっかり服をつかんでいて」
「うん」
情けないです、全くもって情けないです・・・・。
私は長太郎の服をつかんだ。

「長太郎か?」
後ろから声が聞こえた。
長太郎はどうやらその声に聞き覚えがあるらしくて表情が少し変わった。
「宍戸さん」
振り向いた後に長太郎は言った。
ししど・・・宍戸・・・・。
ああ・・・確かこの前会った長太郎の先輩。
挨拶しなきゃ。
「こんばんは」
私は宍戸先輩の顔を見る。
「長太郎・・・お前・・・ついに浮気か?」
「は!?宍戸さん何言ってるんスすか」
「ちょーたろー・・・・誰に浮気をしているのかな〜?」
「ちょ、・・・違う誤解」
「へ〜・・・・ここに証言者がいるのに」
「お前、か?」
突然名前を呼ばれてビックリした。
「はい、そうですが?」
「すまねえ・・・・誤解だ・・・・」
「へ?」
誤解?何が?
「浮気相手って言うのはのことだ」
「私のこと?」
「そう。があんまり綺麗だったから宍戸さんは分からなかったんだよ」
にっこり笑って言う長太郎。
「しかし・・・髪型一つで雰囲気がガラッと変わったな」
「宍戸さんもそう思いますか?」
「ああ」
「?」
何を言っているんですか?
「どうしたの?
「私、そんなに変ですか?」
「違う違う。可愛くなったて意味で言ったんだ」
「・・・・ありがとうございます」
顔がとても熱かった・・・・。








お祭りは始まったばかりだ。










The end.








紅葉「毒林檎さん、キリリク作品出来ました!」

忍足「ちょっとまてや」

紅葉「何?」

忍足「何であとがきに鳳やなくて俺が出とん」

紅葉「気にするな。私の信条は
『あとがきには小説の相手より別の人を出す』だから」

忍足「他人の迷惑顧みずやな・・・・」

紅葉「大丈夫、今度ちょたろうくんのドリーム書いたら次はジローちゃ んに出てもらうから」

忍足「(ジロー・・・可愛そうやな)」

紅葉「話しがずれましたね・・・それでは改めまして、毒林檎さん
10000hitありがとうございました」

忍足「何で祭り話なん?」

紅葉「これを書いていた日が丁度花火大会だったから」

忍足「単純なやっちゃな」

紅葉「そう言う性格ですから」

忍足「開き直りおった」

紅葉「長所だかだよ」

忍足「毒林檎さん、こんな駄文やけどもらったってな」

紅葉「(無視しやがった)そして、最後まで読んでいただきありがとうございました」



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